生きる人

曽我部:それが夢だったからさ、俺。いつでもね、全部投げ出して好きな所に行けるんだっていう、その自由さを持っておくために、結婚も絶対しないし、子供も絶対作んないし、できるだけ、いつでも自由で、お金からも自由でいたいなっていうのが、ずーっとさ、若い頃の理想だったから。だから、それともう180度真逆のところに、今、自分がいるっていうことは、若い頃の自分にとっては、ちょっとうしろめたかったりもするけど。
でも、そのいろんなものを抱えながら一生懸命やっていくことに、ものすごい大事な意味とか、ひょっとしたらその先に自由があるのかなって思ってるし。外国行って旅することはさ、旅じゃなくって。今こうやって、わかんない何かに立ち向かいながら、その自分の信念を持ってずっとやっていくことの方が、全然旅だなって思ってて。
だから、実は、若い頃っていうのは、理想をものすごい美しく描いてたけど、今は理想をちゃんと地でできてんじゃないかな、とも思う。